ODDTAXI
シリアス★★★★☆
ギャグ★★★☆☆
おすすめ★★★★☆
絵柄からは想像できないストーリー。
2021年春に公開されたアニメ。
今作は映画ではないが、映画化の話を耳にしたのでこちらで紹介させてもらう。
(ちなみに、映画公開は2022年の4月1日だそう。)
絵柄はとても可愛らしく、登場するのも動物ばかり。子供向けのアニメのように見える。
けれどそれは絵柄だけの話。色使いやBGM、登場人物たちの会話から伝わってくる、“大人向け”の雰囲気。
このギャップを感じて欲しい。
絵柄で、「観ないかな」と思っているとしたら、もったいない。騙されたと思って観てほしい。
主人公はタクシー運転手。
ストーリーはシリアスだが、主人公の低温なツッコミや乗客達とのかけあいが絶妙で、お笑いが好きな人にもおすすめである。
ただ個人的には、序盤のテンポのゆるさが冗長気味に感じたのも事実。真の面白さに気づくまで、3話くらいかかってしまった。
なので、3話。3話までは観てほしい。そこからはもう、ストーリーの行方が気になって仕方ない体になっているはず。
このアニメ自体は13話構成で、TVアニメとしては短いほう、1クールだけである。
それなのに鑑賞後の満足度は半端ではない。繰り返されるどんでん返しに、次々と回収される伏線、繋がっていく物語……。のめり込みすぎてなんだか体力も消耗する。
最終話でも明らかになっていない、小さな謎がいくつかあるので、映画ではその辺を掘り下げてくれるのかなと期待している。
映画化までに是非観ていただきたいアニメである。
おすすめです。
サマー・オブ・84
わくわく★★★★★
青春★★★★☆
おすすめ★★★☆☆
15歳、夏。
子供の頃の夢や憧れが詰まった青春映画。
ツリーハウスにトランシーバ、エロ本。仲間たちとの探偵ごっこ。親に見つからないように、窓から出入りしてみたり。
秘密を共有する仲間だなんて、とても素敵だ。
音楽や世界観も相まって、本当に爽やかである。こんな青春を送ってみたい。
タイトルも簡潔かつ爽やかで良い。
だけど、タイトルのフォントがなんだか不穏。
パッケージも爽やかさとは程遠い。
なぜか。
実はただの青春映画ではないのだ。
探偵ごっこを続ける内に、ある事件に関わっていく少年たち。
ジャンルはよく分からない。ミステリー、サスペンス。ホラーだと言う人もいるだろう。
この作品にはグロテスクな表現は一切ないが、違う意味での残酷さを感じる。
子供の頃に感じる、世界の残酷さ。
継続していく恐怖。
静かで、爽やかで、残酷。
とてもお気に入りの作品なのだが、作品の雰囲気や終わり方に、スキキライが分かれるだろう、という事で若干おすすめ度を下げた訳である。
これから観るあなたにとっても、お気に入りになればいいなあ。
Fight Club
暴力★★★★★
エンターテイメント★★★★★
おすすめ★★★★★
暴力的エンターテイメント。
不眠症の冴えないサラリーマンである主人公が、男性的な魅力を詰め込んだタイラーとの出会いから、その日常を変えていく物語。
タイラーと出会い、退屈な日々から抜け出すために「痛みを欲する者」を集め、ファイトクラブを発足する主人公。
痛みこそが現実で、くだらない物に囲まれた生活はつくりものでしかない。しかも、自分ではなく社会がつくった虚像なのだと、タイラーは諭す。
徐々にタイラーの影響を受け、主人公自身も変わっていくが……。
観る時の注意点として。
この作品には暴力・SEXといった、オスとしての本能を描く部分が多々あるので、そういった描写が苦手な方にはおすすめできない映画である。
同じ理由で、家族や恋人と観るのもおすすめしない。
ちょっと刺激的な描写も多いが、エンターテイメントに富んだ作品であり、ところどころにネタが仕込んであるこの作品。
陰鬱な雰囲気のなかにコミカルな演出が光る。
最後まで観終わったら、もう一度最初から観たくなること間違いなし。
ちょっとしたイタズラ心も湧く。スローで再生してみちゃったりする。
タイラーが何者であるか明かされた時には、主人公も観ている私たちも同じリアクションをするだろう。
万人受けするとは言えないが、間違いなく名作である。
映画好きなら、触れて損は無い。
おすすめです。
キングスマン:ファースト・エージェント
エンターテイメント★★★★☆
アクション★★★☆☆
キングスマンという秘密結社創設のお話であり、時系列としてはこれがファースト。
このシリーズの魅力はなんといっても、アクションと音響の絶妙な合わせ方。
ストーリーのほうも負けてはいない。
スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
アクション★★★★☆
わくわく★★★★★
おすすめ★★★★☆
スパイダーマンシリーズの集大成!
言わずと知れたスパイダーマン。
スパイダーマンといえば誰か?というのは、スパイダーマンファンの中でも分かれるところであろう。
もしかしたらご存知ない方もいるかもしれないので一応説明しておく。
実はスパイダーマンには3つのシリーズが存在する。
初代スパイダーマンはトビー・マグワイア(写真左)。 物静かでおとなしいイメージのスパイダーマンである。
次作のスパイダーマンはアンドリュー・ガーフィールド(写真右)。初代に比べ、少し勇ましいイメージがある。
このシリーズには「アメイジング」と冠してあるのが特徴。
そして最後、今も健在のスパイダーマンがトム・ホランド(写真中央)。今までのイメージと打って変わって、お喋りで少し抜けてる、お茶目な青年である。
この3シリーズでは、設定に微妙な差がある。監督も配給元も違う。
その為に、このスパイダーマン達はそれぞれ別のもの、として交わることはなかった。
それが今回。なんと。
どう関わってくるのかは伏せておくが、歴代のスパイダーマンたちを愛する者として、この作品は見逃せない。
正直、アベンジャーズシリーズでもあるので、スパイダーマンしか知らない!という方には、スケールが大き過ぎると感じてしまうかもしれない。
それでも観ておく価値があると思う。
そのくらいの奇跡が起きている。
今作には、スパイダーマンシリーズには必ず訪れると言っていい、切なさ・悲しさ・寂しさがぎゅっと詰まっている。
お調子者で、愚かだけれど、やっぱりとても優しくて、あたたかい。
ピーターが迷いながら、間違いながらも成長していく姿に心を打たれる。
スパイダーマンシリーズにはいつも驚かされてばかりだが、今作でもしてやられた。
有名シリーズでもあり、おもしろくない訳がないのであまり言う必要もないが、もし観るのを迷っているなら是非観てほしい。
MARVELは偉大である。
クラウン
怖さ★★☆☆☆
グロ★☆☆☆☆
絶望★★★★☆
おすすめ★★★☆☆
タイトル・パッケージどおりのクラウン・ホラー。
全ては、 息子の誕生日に来るはずだったピエロが急遽来れなくなったという連絡から始まる。
息子のためにと、偶然見つけたピエロの衣装を着て駆けつける父。息子も奥さんもそのサプライズに盛り上がり、誕生日は無事に終わる。
しかし。この衣装がどうにも脱げない。結局その衣装のまま一夜を明かし、息子の送り迎えもピエロの格好で行くことに。時間もなく、職場にもそのまま行く。
ここまではまだ笑い話で済む出来事であるし、実際周りの反応もそうだった。
どうにも仕方なく病院に行き、事情を説明するが、脱げない服だなんてあるわけが無い。信じてもらえず、精神を病んでいるのではと疑われてしまう。
この描写がうまい。
ホラーを観ていると頭に度々浮かぶ、「病院行けよ」「警察呼べよ」というツッコミ。
いや、行ってしまっては面白くないのも分かっているし、ストーリー上不要であることも承知だが、ふと思ってしまうものは仕方がない。
その部分を、一度病院に行き、精神病を疑われる、というイベントでクリアしているのだ。
精神的に健康な人間がそんな体験をしたら、病院も警察ももう頼りづらいものだ。
ここからは地獄である。
観て確かめてほしい。
ピエロに侵食される父の視点と、息子・奥さんの視点で進んでいく物語。どちらをどう応援したら良いのかわからないもどかしさ。
最後の息子の発言で、絶望に震える。
家族の崩壊をじわじわと味わう絶望感もまた、この作品の魅力である。
立派にジャンルとして確立しているクラウン・ホラー。
最近では「IT」がリメイクされ、「ジョーカー」も人気を博し、注目を集めているが、ピエロってどうしてあんなに不気味なのだろう。
素顔を隠す白塗りに、無理やり上げた口角、可愛らしさとは無縁のアイメイク。この“不自然さ” が恐ろしい。
普通のメイクでさえ、やり過ぎるとちょっと怖い。(メイクが濃すぎて怖いマダムをたまに見かけてはピエロを思い浮かべる。)
ハラハラする描写はあるものの、グロテスクな表現は控えめ。
ホラー初心者にもおすすめできる。
また、新たにホラー映画を開拓したい玄人にも、もちろんおすすめである。
ハングオーバー!消えた花婿と史上最悪の二日酔い
下ネタ★★★★★